オーケストラを始めたい。でも仲間がいない。さらにいえば楽器もない。どうしよう?
あなたの手と、Kinectと、“何十台か”のパソコンがあれば、願いが叶うかもしれません。それはコンピュータ・オーケストラです。
WIRED(英語)によれば、スイスにあるローザンヌ美術大学(ECAL)の学生3人によるプロジェクトがあるそうです。Kinectと最大24台のパソコンを連動させてオーケストラを演奏します。Kinectも24台のパソコンも持ち合わせている今からオーケストラを始めたい野心的な方でなくとも、これはナチュラル・ユーザー・インターフェイスの活用としても、またアートとしても面白い試みです。
このコンピュータ・オーケストラでは、指揮者の手の動きをKenectで検知して、各パソコンに割り当てられた音源を再生します。ひとつひとつの音源はスムーズに合成されていて、彼らの動画ではその素晴らしい演奏を聴くことができます。
さらに面白いのが、このオーケストラで使う音源はオンラインにより世界中から集めることができるというところ。見ず知らずの人たちによってひとつのオーケストラができあがる、とてもインタラクティブな体験ができそうです。もちろん一人で楽しみたいという(私のような)内気な方もご安心。プリセットされた音源もあります。
技術的には、KinectのデータをSimpleOpenNIというオープンソースソフトウェアで処理し、24台のパソコンをWi-Fiで同期させているとのこと。SimpleOpenNIはOpenNIというKinect非公式ライブラリのラッパーですが、マルチプラットフォームでOSに依存しません。
それでこの動画でも、KinectなのにMacで動いてるんですね。(普通、KinectはWindowsでしか動かないものです)
ちなみにこれを作った学生3人にとって最も難しかったのは、24台のパソコンを友人から借りてすべてをセットアップする作業だったそうです。お疲れさまです。でも、とても素晴らしい作品でした。