
By DRC Trials
先日お伝えした“DARPAロボティクス・チャレンジ”の予選会が、今月20日〜21日に行われました。
記事:NASAがロボット大会に参戦!あまりにハイクオリティで他の選手がかわいそうになってくる [画像]
NASAが開発した“VALKYRIE(ヴァルキリー)”というロボット(下)が、「カッコイイ!」「クール!」という声をたくさんいただきました。

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他のロボットに比べてあまりにもルックスが美しく整っていたこと、天下のNASAによるロボットだったことから、そのときのネット上の反応は当然このVALKYRIEに集まりました。
まるでイケメンvsその他の様相というわけです。
予選会では、災害現場を想定した8ステージをロボットが自律制御で乗り越えていきます。各ステージには4つのタスク(課題)が存在し、クリアしたタスクの数がスコアになります。つまり最高32点です。
さて、注目の結果は・・・
これが最終スコア。VALKYRIEは、NASA-JSCのチーム名で発表されています。

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お分かりですか?
そう、VALKYRIEが 0点 です。
なんということでしょう。
“何もできなかった”ということです。VALKYRIEが。

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あのNASAでさえ立ちすくんだ予選会。
相当厳しかったと思われますが、トップはなんと日本のチーム、“SHAFT”です。

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こちらがそのロボット、“HRP-2”です。
VALKYRIEと比べると、無骨で、コードだらけでお世辞にもカッコイイとは言えないロボットです。
しかし、このHRP-2はダントツのトップで予選を通過したのです。
見た目よりもまずはちゃんと動くものを! という開発者の声が聞こえてきそうです。
HRP-2を開発したSHAFTですが、日刊工業新聞社の記事(2013.04.12)によれば、東京大学出身のロボット研究者たちで作られたロボットベンチャーです。
さらにWIREDの記事(2013.12.5)ではGoogleが買収したことも報じられています。
しかしSHAFTのウェブサイトは相変わらず何も情報がないまま。
詳しいことが何も分かりませんが、つい先日WIREDが報じた下記記事で少しだけ、その姿を知ることができます。
リンク:DARPAロボコンで勝利した日本のヴェンチャー企業が、グーグルに買収された理由 « WIRED.jp
さて、DARPAロボティクスチャンレンジですが、今回行われたのは予選です。
決勝戦はちょうど1年後、2014年12月20日〜21日に行われます。
そして今回、決勝に進出したのは上位8組のチーム。
先日の記事では6組だけご紹介していましたが、出場者のページが更新されていて16組のチームが予選に参加しました。
先日ご紹介できなかったチームも含め、決戦に進出するチームとそのロボットをご紹介します。
予選1位:SHAFT / HRP-2

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ダントツの1位、日本のロボットベンチャー“SHAFT”です。
1位が日本のチームというのは嬉しいですね。
予選2位:IHMC Robotics / Atlas

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Googleが買収したことで最近ニュースになった、軍用ロボット開発のボストン・ダイナミクスによるロボット“Atlas”です。
DARPAロボティクスチャンレンジでは、ロボットのフレームワークとしてAtlasを借りて出場することができます。
出場者は主にソフトウェアのチューニングを施し、出場するのです。
このIHMC Roboticsというチームは、高校生も含まれる若手チームです。
予選3位:Tartan Rescue / CHIMP

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カーネギーメロン大学のチームです。
チンパンジーのようなデザインは、歪んだ地形でも容易に移動できるようにと考えらています。
予選4位:MIT / Atlas

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マサチューセッツ工科大学もAtlasを借りて出場しています。
予選5位:NASAジェット推進研究所(チームRoboSimian) / RoboSimian

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他のチームがヒト型ロボットで参加する中、異様な外見をもつこちらのロボットはNASAジェット推進研究所によるもの。
VALKYRIEはNASAジョンソン宇宙センターの開発ですので、NASAからは2つのチームが参加していることになります。
しかしVALKYRIEと違って、外見などお構いなしなこちらは見事予選を通過しました。
予選6位:Team TRACLabs / Atlas

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アメリカの老舗ロボットメーカーの参加です。
大会のページに一切情報がありませんが、少しくらいはチューンナップされていると信じたいところです。
予選7位:WRECS / WARNER

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名前はWARNERですが、中身はAtlasです。
ウースター工科大学のチームで、カーネギーメロン大学と提携しているとのこと。
予選8位:TROOPER / Atlas

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航空機で有名なロッキード・マーチンのチームです。
ロッキード・マーチンではロボットと人間が協働することを目指しているとのことで、大会に参加しているようです。
以上。
予選通過者のほとんどが、Atlasをベースにしたロボットですね。
ヒト型ロボットの業界標準となるのでしょうか。どことなくターミネーターを思わせますし。
1年後の決勝戦までに、各チームがどれだけ性能を向上させてくるかも注目です。
大会公式サイトのギャラリーでは大会の様子が動画や写真で公開されています。

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未来スコップでは来年の決勝戦でも続報をお送りしたいと思います。