image : http://www.nasa.gov/
アメリカの航空宇宙局（ＮＡＳＡ）の無人探査機「ニューホライズンズ」が7月14日午前（日本時間だと夜です）、冥王星に接近します。
「ニューホライズンズ」は冥王星観測ために、2006年に打ち上げられました。今回ほど接近した冥王星の観測は人類の歴史上いまだなく、9年以上の経てのようやく実現した形となります。
冥王星は未だ謎が多い星ですが、「ニューホライズンズ」の冥王星の接近により多くのことが解明できると考えられています。今回は、今後謎が明らかにされてくる冥王星の基礎知識を知っておこう、ということで、改めて現在までにわかっている内容を少しだけ整理してみました。
■冥王星の大きさ、場所、惑星の種類
image 辛抱しんちゃんのブログ九
冥王星の直径は2,320kmで、太陽系の衛星のうちだいぶ小さいです。赤道面の直径は地球の18%程度（月よりも小さい）。距離は48億キロから54億キロ。距離が変わる理由は、地球と冥王星が同じ形の軌道を通っていないためです。ちなみに、時速100キロで進んだ場合は、6164年かかるようです。光のスピードだと5年です（地球と月は光の速度だと2秒です）。
冥王星は1930年に、太陽系の９番目の惑星で、外惑星（太陽系の惑星のうち、地球よりも太陽から遠い軌道をめぐる惑星）の一つとされていました。しかし、1992年より、似たような大きさの、外縁天体が続々と発見され、冥王星を惑星をみなすことは問題ではないかという声が広まりました。
その結果、2006年に国際天文学連合で「準惑星」という分類の惑星が新設されて、その分類に含まれることになりました。
■冥王星の名前の由来
image:ギリシャ神話の世界
冥王星は「Pluto（プルート）」呼ばれます。これは、ローマ神話で冥府の王であるプルートーのことで、太陽系最深部の暗闇に存在する冥王星のイメージを象徴しています（ギリシャ神話ではハデスと呼ばれています）。また、最初の2文字のPLは、冥王星の発見に影響を与えた、パーシヴァル・ローウェルのイニシャル。日本語名の「冥王星」は、日本人の野尻抱影が提案した名称です。「幽王星」という候補名もあったとのこと。
■アメリカ人に親しまれていた冥王星
冥王星は1930年の発見以降、アメリカ人（クライド・トンボー）が唯一発見した惑星のため、アメリカ人の誇りでした。ディズニーのキャラクターとして親しまれているプルートは、冥王星が発見された年に誕生していて、冥王星（プルート）から名前が取られています。このような、アメリカ人の愛着が、冥王星が惑星から外す議論の際、問題が大きくなった理由でもあります。
■占星術の冥王星
西洋占星術では「凶星」で、極限、死、再生を示し、原子力、エネルギーをも示唆しています。占星術で首都移転を決めるミャンマーでは、占星術師の協会が惑星から準惑星に分類される決定を非難しました。
いかがでしたでしょうか？もしかしたら「ニューホライズンズ」が冥王星を探索するにあたり、これまでにない新発見があるかもしれません。これから、宇宙の遥か彼方から送られてくる新情報を、ワクワクして地球で待ちたいと思います！
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